水仙花

201707280545(金)

 耐え兼ねて、部屋を逃げ出した。

 意識が歪む。顔のあちこちが痛い。

 三ヵ月ぶりぐらいだろうか。真っ当に、官能的に触れた。早朝・居間に降りたら「人間椅子」の映画がやっていた。無意識的に触発されたのか、エロゲー、「水仙花」を始めた。が、――まるでダメだ。

 ただしく素晴らしく、情動を揺さぶられ、……私は軋む。頭が軋む。「エロゲーなんて出来なくてもいい」、確かにそう言えるだろうけれど、……ショックは大きい。

 私にとって然様な官能は生命の一大事だ。沢山を想い、感じ、「私」の形成の大部分を担っているだろう。

 それに触れるとこうもオカシクなる・というのは、……キツい。当り散らしたくなるね。それを堪える事はまた、悪循環を孕みそうだし、……あんな大切なものを、豊かに経験出来ないのなら、今は触れずに大事にしたく。

 だが、冷静に考えれば。出来ないわけではない。一応。キツいし苦しいが、……確かにキツくて苦しい所へ触れに行く様に、エロゲーをやる様な所があるのだから。嗚咽と苦悶に塗れながら、やるのも当然・ト言えるだろうか。

 ……しかし、しんどいのだな。三ヵ月経って、まだ、か。……当り散らさない様、呼吸は、慎重に。良くはなっては、いる。そしてこうして軋むばかりなら、治療期間は伸びるだろう。

「畜生」言わない、……言わない。粘り強く、苦手な真綿で首締めを受けつつ。なるべく漠ト。時折取り戻せ。いつか取り戻せ。はやく取り戻せ。

 エロゲーが出来るようになりたい。……なんてヒト様には共感され難いものだろう。あ、歌えないのは、まだ、共感され易いか知ら。よし、口頭では「フツーに歌える様になりたい。」ト欺瞞しようか。

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